冷3の重要公式を覚えるにあたって、馴染みのないギリシャ文字や由来の分からないアルファベットなど、記号がたくさん出てきて頭が混乱しませんか?
さらに!アルファベットの記号にPthの「th」やCOPth-Rの「th-R」など、下付き文字の補助記号が入ってきてチンプンカンプン‥‥‥
というわけで、記号を覚えやすいように補助記号の由来も含めて一覧にしました。あなたの試験対策の一助になれば幸いです。
| 記号 (単位:kW) | 意味 | 大きさ |
|---|---|---|
| P | 圧縮機駆動の軸動力 (圧縮機の軸動力) | 大 ↓ ↓ ↓ 小 |
| Pc | 蒸気の圧縮に必要な圧縮動力 (圧縮機の圧縮動力) | |
| Pth | 理論断熱圧縮動力 | |
| Pm | 機械的摩擦損失動力 (機械的損失動力) |
軸動力(記号:P)
軸動力(記号:P)に関しては、参考書、問題集、過去問によって、以下のような表記揺れがあります。
- 実際の圧縮機の駆動に必要な軸動力
- 圧縮機駆動の軸動力
- 圧縮機の軸動力
上記はすべて同じ軸動力(記号:P)のことを指しています。
表記揺れがあったとしても、軸動力という文字が入っていれば、Pのことを指していると判断しても問題ありません。
軸動力を表す記号:Pの由来
軸動力を表す記号「P」は、英語で「仕事率」を意味する Power の頭文字「P」に由来しています。軸動力の記号表記は、必ず大文字となります。
単位時間あたりに行われる仕事量(仕事率)を表すため、軸動力Pの単位はkW(=kJ/s)となります。
軸動力(記号:P)の定義
軸動力(記号:P)は、圧縮機を運転するために必要な現実の動力(仕事率)のことです。圧縮機を動かすためだけの純粋(理論的・理想的)な数値(圧縮動力)だけでなく、摩擦・抵抗などに消費される無駄な動力(損失動力)を含めた数値となります。
したがいまして、軸動力(記号:P)と圧縮動力(記号:Pc)、損失動力(記号:Pm)には、以下の関係式が成り立ちます。
- 軸動力=圧縮動力+損失動力
- P = Pc + Pm
その他にも、軸動力(記号:P)を表す公式がありますので、あわせて記載しておきます。公式に関する説明は、ここでは割愛いたします。
- 軸動力=凝縮器負荷ー冷凍能力
- P = Φk ー Φo
-
軸動力=圧縮動力÷機械効率
- P = Pc ÷ ηm
- 軸動力=理論断熱圧縮動力÷全断熱効率=理論断熱圧縮動力÷(断熱効率✕機械効率)
- P = Pth ÷ ηtad = Pth ÷ ( ηc ✕ ηm )
圧縮動力(記号:Pc)
圧縮動力(記号:Pc)に関しては、参考書、問題集、過去問によって、以下のような表記揺れがあります。
- 圧縮機の圧縮動力
- 蒸気の圧縮に必要な圧縮動力
- 実際の圧縮動力
上記はすべて同じ圧縮動力(記号:Pc)のことを指しています。
表記揺れがあったとしても、圧縮動力という文字が入っていれば、Pcのことを指していると判断しても問題ありません。
圧縮動力を表す補助記号:c の由来
圧縮動力を表す記号:Pcの補助記号「c」は、英語で「圧縮機」を意味する compressor の頭文字「c」に由来しています。補助記号「c 」の表記は、必ず小文字となります。
圧縮動力(記号:Pc)の定義
圧縮動力(記号:Pc)は、圧縮機内部で冷媒の圧縮に必要な理論的な動力(仕事率)のことです。摩擦・抵抗などに消費される無駄な動力(損失動力)を含めない数値となっていますので、一見すると、理論的な圧縮値である理論断熱圧縮動力(記号:Pth)と同義ではないかと思ってしまいます。
圧縮動力(記号:Pc)は、理論値ではありますが外部との熱の出入りを考慮した動力となっていますので、そのときに発生したガス(吐出しガス)の熱量も含められた値になります。
したがいまして、圧縮動力(記号:Pc)と理論断熱圧縮動力(記号:Pth)、吐出しガスには、以下の関係式が成り立ちます。
圧縮動力=理論断熱圧縮動力+吐出しガス
Pc = Pth + 吐出しガス
ただし、上記の式を使用することはありません。
圧縮動力(記号:Pc)と理論断熱圧縮動力(記号:Pth)との比を断熱効率(記号:ηc)として取り扱います。
- 断熱効率=理論断熱圧縮動力÷圧縮動力
- ηc = Pth ÷ Pc
※ 圧力比が大きくなると、断熱効率は小さくなる。
圧縮動力(記号:Pc)>理論断熱圧縮動力(記号:Pth)なので、断熱効率(記号:ηc)の最大値は1です。
∵圧縮動力=理論断熱圧縮動力+吐出しガス
ただし、現実として吐出しガスは必ず発生しますので、1になることはあり得ません。1に近ければ近いほど、吐出しガスの発生が少ないため、エネルギーロスが少ないことになります。
理論断熱圧縮動力(記号:Pth)
理論断熱圧縮動力(記号:Pth)の表記揺れはありません。
理論断熱圧縮動力を表す補助記号:th の由来
理論断熱圧縮動力を表す記号:Pthの補助記号である「th」は、英語で「理論的な」という意味の theoretical の頭文字「th」に由来しています。補助記号「th」の表記は、必ず小文字となります。
理論断熱圧縮動力(記号:Pth)の定義
理論断熱圧縮動力(記号:Pth)は、外部との熱の出入りや、摩擦・抵抗といった機械的損失などを考慮していない、理論的(純粋)な動力(仕事率)のことです。
理論断熱圧縮動力(記号:Pth)を表す公式は、以下のとおりです。
- 理論断熱圧縮動力=冷媒循環量✕圧縮仕事
- Pth = qmr( h2 ー h1 )
-
理論断熱圧縮動力=圧縮動力✕断熱効率
- Pth = Pc ✕ ηc
-
理論断熱圧縮動力=軸動力✕全断熱効率=軸動力✕断熱効率✕機械効率
- Pth = P ✕ ηtad = P ✕ ηc ✕ ηm
機械的損失動力(記号:Pm)
機械的損失動力(記号:Pm)に関しては、参考書、問題集、過去問によって、以下のような表記揺れがあります。
- 機械的摩擦損失動力
- 圧縮機の機械的損失動力
上記はすべて同じ機械的損失動力(記号:Pm)のことを指しています。
表記揺れがあったとしても、機械的損失動力という文字が入っていれば、Pmのことを指していると判断しても問題ありません。
機械的損失動力を表す補助記号:m の由来
機械的損失動力を表す記号:Pmの補助記号である「m」は、英語で「機械的な」という意味の mechanical の頭文字「m」に由来しています。補助記号「m」の表記は、必ず小文字となります。
機械的損失動力(記号:Pm)の定義
機械的損失動力とは、圧縮機を動かす際に、冷媒の圧縮とは直接関係のない部分で消費されてしまうエネルギーのことです。本来の目的である冷媒の圧縮に利用されない動力分を指します。
損失動力には以下のものがあります。
- 圧縮機内部の機械的な摩擦(摩擦損失)
- 圧縮機内部・回転部分が、周囲の空気や冷媒ガスと摩擦することで生じる抵抗(空気抵抗)
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